超福祉展とは

正式名称「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」。
障害者をはじめとするマイノリティや福祉そのものに対する「心のバリア」を取り除こうと、2014年より毎年11月の一週間、渋谷ヒカリエを中心に開催を続けている展示会です。思わず「カッコイイ」「カワイイ」と使ってみたくなるデザイン、大きなイノベーションを期待させてくれる「ヤバイ」テクノロジーを備えたプロダクトの展示・体験に加え、従来の福祉の枠に収まらない魅力的なプレゼンターたちが登場するシンポジウム、多彩なワークショップなど、さまざまな企画を展開してきました。

そもそも、「超福祉」って?

一人ひとりの心の中に存在する、障害者をはじめとしたマイノリティや福祉に対する「負い目」にも似た「意識のバリア」。
“超福祉”の視点では、従来の福祉のイメージ、「ゼロ以下のマイナスである『かわいそうな人たち』をゼロに引き上げようとする」のではなく、全員がゼロ以上の地点にいて、混ざり合っていることを当たり前と考えます。ハンディキャップがある人=障害者が、健常者よりも「カッコイイ」「カワイイ」「ヤバイ」と憧れられるような未来を目指し、「意識のバリア」を「憧れ」へ転換させる心のバリアフリー、意識のイノベーションを“超福祉”と定義します。

超福祉は何を超えていくのか?What will super welfare exceed?

2014年

2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう。

タイトルをキーメッセージとして表現し、キービジュアルとしてモノを通したコミュニケーションを設計。

2015年

2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう。

シンポジウムコンテンツの幅を広げ、モノからヒトへと展開。未来の福祉の在り方を提示した。

2016年

ちがいを楽しむ一週間。

“ちがい”を意識したコピーと、マイノリティの分布をあらわしたボーダーラインで、キービジュアル再構築。超福祉の概念とメッセージを強化した。

2017年

ちがいを探しに、街へ出よう!

キービジュアルを継続しイメージを定着させつつ、体験コンテンツを更に充実させ、“ちがい”を意識する視野を街へと広げていった。

2018年

ちがいを、あなたに。ちがいを、あなたから。

視野は、“ちがい”の当事者である自分個人へと変化しながらも、更に自ら発信していくという方向へと変化していった。自他の境界線は更に溶け合い混ざり合っていく。

2019年

ちがいよ、街へ、未来へ、広がってゆけ。

“ちがい”は広がり、そのひとりひとりが拡散していく。更に、そのひとりひとりの中にある”ちがい”がより一層見えてくる世の中を目指してメッセージを構築。

2020年 and to the future.

もっと、ひとりへ。もっと、みらいへ。

既成概念や思い込みを超えていくことで、福祉への取り組み方が変化していくことを実感してきたこの5年間。
超福祉展に集まる、プロダクト、アイデア、すべての活動は、このプロジェクトに共感してくださった一人ひとりの想いや時間が重なり現実化したものとも言えます。つまり、境界線の意味を捉え直し、多様性に正面から向き合うと、じつは”ちがい”とは一人ひとりの”個”に帰結することに気づくのです。
そして、この場所はこれからも、そうした様々なちがいを持つ個と個をつなぎ、そのちがいを意識することから新しい未来を描く場所を目指していきます。

To the person. To the future.

The last five years have given a genuine sense of change in the approach to welfare by overcoming stereotypes and prejudices. All products, ideas and activities on site at the Super Welfare Expo are the result of the accumulation of the sentiment and time spent by each and every person who took part in this project with us. In other word, when reinterpreting what divides us with a diversity approach, we soon realize that our “differences” are what makes us all unique “individuals.” In this sense, we hope the Super Welfare Expo can continue to be a place to serve all individuals to bring a brighter future by promoting “differences.”

これまでの超福祉展

超福祉展は、2012年に表参道・BA-TSU ART GALLERYや青山・国際連合大学前広場などで、従来の福祉を超えた機器の展示やパラスポーツ体験などを実施したことをきっかけに、2013年の東京国体でのコラボ開催を経て、2014年から定期開催を目指してスタート。以来、渋谷ヒカリエをメイン会場に、「展示」や「シンポジウム」、「ワークショップ」、「コンペティション」など、様々なコンテンツを充実させてきました。

  • 2014年の様子

    2014年(第1回)

    [来訪者:13,600人]
    最先端のパーソナルモビリティや近未来のスポーツ機器を展示。また、メディアやアート、ファッション、デザインなどとミックスされた、福祉の新しい選択肢として「超福祉」を提案。シンポジウムではパラリンピック出場選手や海外の大学教授などが登壇しました。

  • 2015年の様子

    2015年(第2回)

    [来訪者:32,000人]
    第1回の参加企業・団体に加え、世界から注目を集めるベンチャー企業も登場。また、シンポジウムでは、義足アーティストやパラリンピアンに加え、教育機関との連携により中学生も登壇。40名を超えるプレゼンテーターが、スポーツや社会、アート、マスコミなど、15のテーマでトークセッションを開催しました。
    さらに、渋谷ヒカリエを飛び出し、ショップとのコラボレーションやモビリティの試乗ツアーなど、超福祉の日常をリアルに感じてもらえるコンテンツを新たに開催しました。

  • 2016年の様子

    2016年(第3回)

    [来訪者:41,000人]
    「ちがいを楽しむ1週間」
    従来の福祉を超えた機器の展示に加え、義手・義足をはじめとした新たなテクノロジーの開発者たちにスポットライトを当てた企画展示「Take the Next Step」を開催。また、シンポジウムでは、タイムアウト東京とのコラボによる、ダイバーシティの先にある未来を垣間見るセッション「Beyond Diversity」を開催。
    さらに、超福祉の日常にふさわしいトイレを考えるデザインコンペティションや、ハチ公前広場でのトークセッションなど、超福祉をより考えるイベントを目指しました。

  • 2017年の様子

    2017年(第4回)

    [来訪者:51,300人]
    「ちがいを探しに街へ出よう」
    サテライト会場を渋谷区の街中に広げ、合計10カ所にて同時多発的にイベントを開催。メイン会場の渋谷ヒカリエでは、企画展示として、開発者5名によるプロダクトやサービスの展示に加えて、様々なジャンルのプロフェッショナルが集結した大規模ワークショップ「超福祉・実現MTG」を実施。サテライト会場の渋谷キャストでは「ヒューマンライブラリー」、ケアコミュニティ・原宿の丘では「超福祉の学校」などの参加・体験型のコンテンツを開催。週末のハチ公前広場ではトークセッションやパフォーマンス、渋谷駅13番出口地下広場では最新モビリティ試乗会&超人スポーツ体験会を展開し、各会場大盛況のうちに終了しました。

  • 2018年の様子

    2018年(第5回)

    [来場者:57,800人]
    「ちがいを、あなたに。ちがいを、あなたから。」
    メイン会場・サテライト会場・ビジョンシェアリングショップの3階層にわけて、街中への展開を更に拡大しました。サテライト会場は、渋谷キャストで行った文部科学省とのコラボレーションイベント「超福祉の学校」をはじめ9会場で展開。ビジョンシェアリングショップには、渋谷区内の54の店舗・施設にご参加頂きました。メイン会場の渋谷ヒカリエでの展示では、独自企画として、2014年からの超福祉展を振り返り、2021年からのアクションを”展示”という形で表現。シンポジウムでは、乙武氏の「義足プロジェクト」が発表されるなど会場は連日超満員となりました。また新たな試みとして、最新の音声ARや忍者型ロボットを使い、超福祉の日常をよりリアルに体験できる「体験ツアー」も開催。来場者数は過去最高記録を更新し、大好評のうちに幕を閉じました。