障害者をはじめとするマイノリティや福祉そのものに対する「心のバリア」を取り除こうと、
2014年より毎年11月の一週間、渋谷ヒカリエを中心に開催を続けている展示会です。
思わず「カッコイイ」「カワイイ」と使ってみたくなるデザイン、
大きなイノベーションを期待させてくれる「ヤバイ」テクノロジーを備えたプロダクトの展示・体験に加え、従来の福祉の枠に収まらない魅力的なプレゼンターたちが登場するシンポジウム、
多彩なワークショップなど、さまざまな企画を展開してきました。
一人ひとりの心の中に存在する、障害者をはじめとしたマイノリティや福祉に対する「負い目」にも似た「意識のバリア」。“超福祉”の視点では、従来の福祉のイメージ、「ゼロ以下のマイナスである『かわいそうな人たち』をゼロに引き上げようとする」のではなく、全員がゼロ以上の地点にいて、混ざり合っていることを当たり前と考えます。ハンディキャップがある人=障害者が、健常者よりも「カッコイイ」「カワイイ」「ヤバイ」と憧れられるような未来を目指し、「意識のバリア」を「憧れ」へ転換させる心のバリアフリー、意識のイノベーションを“超福祉”と定義します。
超福祉展は、2012年に表参道・BA-TSU ART GALLERYや青山・国際連合大学前広場などで、
従来の福祉を超えた機器の展示やパラスポーツ体験などを実施したことをきっかけに、
2013年の東京国体でのコラボ開催を経て、2014年から定期開催を目指してスタート。
以来、渋谷ヒカリエをメイン会場に、
「展示」や「シンポジウム」、「ワークショップ」、「コンペティション」など、
様々なコンテンツを充実させてきました。
第1回
2014年
来訪者:41,000人
最先端のパーソナルモビリティや近未来のスポーツ機器を展示。また、メディアやアート、ファッション、デザインなどとミックスされた、福祉の新しい選択肢として「超福祉」を提案。シンポジウムではパラリンピック出場選手や海外の大学教授などが登壇しました。
第2回
2015年
来訪者:32,000人
第1回の参加企業・団体に加え、世界から注目を集めるベンチャー企業も登場。また、シンポジウムでは、義足アーティストやパラリンピアンに加え、教育機関との連携により中学生も登壇。40名を超えるプレゼンテーターが、スポーツや社会、アート、マスコミなど、15のテーマでトークセッションを開催しました。
さらに、渋谷ヒカリエを飛び出し、ショップとのコラボレーションやモビリティの試乗ツアーなど、超福祉の日常をリアルに感じてもらえるコンテンツを新たに開催しました。
第3回
2016年
来訪者:41,000人
従来の福祉を超えた機器の展示に加え、義手・義足をはじめとした新たなテクノロジーの開発者たちにスポットライトを当てた企画展示「Take the Next Step」を開催。また、シンポジウムでは、タイムアウト東京とのコラボによる、ダイバーシティの先にある未来を垣間見るセッション「Beyond Diversity」を開催。
さらに、超福祉の日常にふさわしいトイレを考えるデザインコンペティションや、ハチ公前広場でのトークセッションなど、超福祉をより考えるイベントを目指しました。
第4回
2017年
来訪者:51,300人
サテライト会場を渋谷区の街中に広げ、合計10カ所にて同時多発的にイベントを開催。メイン会場の渋谷ヒカリエでは、企画展示として、開発者5名によるプロダクトやサービスの展示に加えて、様々なジャンルのプロフェッショナルが集結した大規模ワークショップ「超福祉・実現MTG」を実施。サテライト会場の渋谷キャストでは「ヒューマンライブラリー」、ケアコミュニティ・原宿の丘では「超福祉の学校」などの参加・体験型のコンテンツを開催。週末のハチ公前広場ではトークセッションやパフォーマンス、渋谷駅13番出口地下広場では最新モビリティ試乗会&超人スポーツ体験会を展開し、各会場大盛況のうちに終了しました。
第5回
2018年
来訪者:57,800人
メイン会場・サテライト会場・ビジョンシェアリングショップの3階層にわけて、街中への展開を更に拡大しました。サテライト会場は、渋谷キャストで行った文部科学省とのコラボレーションイベント「超福祉の学校」をはじめ9会場で展開。ビジョンシェアリングショップには、渋谷区内の54の店舗・施設にご参加頂きました。メイン会場の渋谷ヒカリエでの展示では、独自企画として、2014年からの超福祉展を振り返り、2021年からのアクションを“展示”という形で表現。シンポジウムでは、乙武氏の「義足プロジェクト」が発表されるなど会場は連日超満員となりました。また新たな試みとして、最新の音声ARや忍者型ロボットを使い、超福祉の日常をよりリアルに体験できる「体験ツアー」も開催。来場者数は過去最高記録を更新し、大好評のうちに幕を閉じました。
第6回
2019年
来訪者:75,100人
2020年に開催予定であった東京オリンピック・パラリンピックの閉会のタイミングに合わせて、この年から開催を9月に移行。2018年に引き続き、3階層に分けての街中への展開は、3つのメイン会場、8つのサテライト会場、109のビジョンシェアリングショップの、合計120箇所に拡大。メイン会場の渋谷ヒカリエには、21社の出展物、110名を超えるシンポジウム登壇者が集結。より個にフォーカスした取り組みや、次世代を担う子供たちと楽しめるコンテンツを多数展開しました。会場は家族連れを中心に連日人で溢れかえり、来場者数は7万人を超え過去最多となりました。180以上のメディアにも露出し、名実ともに渋谷を代表するイベントへと成長を遂げました。
第7回
2020年
最終回を迎える超福祉展は
オンラインでの開催に挑戦します
東京オリンピック・パラリンピックの延期や、
新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く中ではありますが、
2020年で最終回を迎える超福祉展は、
展示・シンポジウム・体験イベント等をすべてオンラインで開催し、
新しい展示会・イベントのあり方に挑戦します。
場所や身体などの障壁を越え、ハンディの有無に関わらず、
世界中の誰もがつながれる場を目指します。
東京・渋谷を基点に、日本のみならず世界の各都市を
オンラインでリアルタイムでつなぎ、世界各地の超福祉な人たちの活動や、
ダイバーシティやSDGsに関する知見やアイデアをシェア。
プロダクトやサービスの展示紹介、疑似体験などもオンラインで展開をしながら、
「超福祉の日常」 を体現していきます。